塗りとかほんとかわいくてもうっ!! でも、あんましさはらさんいじめちゃだめです。
というわけで勝手ながら補完してみました
「ああ……今日もひとりぼっち……」
わたしと同じぐらいの背丈の子たちが、下を向いて歩く私とすれ違ってゆく。
たぶん、この道は通学路なんだろう。ランドセルを背負った沢山の仲良しグループが、通りに暖かく楽しい風を作っていた。
わたしはたったひとりで、その風に逆って歩いていた。さびしさに押しつぶされそうで……手の感覚も無くなりそうだった。
しかし、下を向いて歩いていたのがいけなかったのだろう。どん、と、私は白い壁にぶつかってしまったのだ。
「ご、ごめんなさいっ!」
反射的にひとこと。そして顔を上に向けると……、そこに立っていたのはメイドさん?だった。
どこからどう見ても漫画とかに出てくるメイドさん。でも実物を見るのははじめてだ。
ただ、それよりなにより重要だったのは……そのメイドさんが怒っていたことだった。手を腰に当て、目を尖らせて私を睨んでいた。
「え? あ、あの……ご、ごめ……」
圧倒され、戸惑いの言葉しか出ない私。
と、メイドさんの三つ編みがひょいと持ちあがる。驚く間もなく、先端がどろりと溶けて、手の形になる。
そのとき初めて、この目の前のメイドさんが人ではないことに気がついた。
私と同じ……スライムだ。
メイドさんも初めてだったが、私と同じモノを見るのも初めてだった。
そしてそんな彼女が……よくわからないけど怒っていた。
その三つ編みの先の手で、私をぴしりと指差して、メイドさんはこう言った。
「あなたには、自覚が欠けていますわ」
その意外な言葉に、私には「は、はぁ……自覚…ですか?」と返すのがせいいっぱいだ。
メイドさんはそんな私を暫く睨んだあと、ふぅ、と大袈裟に溜息を付いて言った。
「わからないのですか? あなたには、スライム娘の自覚が欠けていると言っているのです」
自覚とか……意味がわからなかった。
初めて出会った自分と同じひとに、睨まれて、なおかつそんなことを唐突に言われて、わけがわからなかった。
少しむっとしたのが事実だった。
「自覚って……なんなんですか?」
自然と、少し強い口調になった。
私のメイドさんの三つ編みが、こんどは私の手をぴしりと示した。
「回りに人が沢山いるようなところで手の擬態を解いて、回りの人が見たら怖がるじゃないですか」
言われてはじめて、私は手の擬態が溶けていることに気がついた。
なんだか妙に恥かしい。
急いで直して……でも私はメイドさんをキッと睨み返す。
「そんな……皆の前で三つ編みを手にしちゃう人なんかに言われたくないです……!」
いってやった!
私はそう思ったのに、メイドさんは動ずることもなく、私の目をじっと見ていた。
と、そこに割ってはいる子供の声があった。
「あ、ジェラさんだ。ジェラさんこんにちわー」
すれ違う子供たちが、親しげにメイドさんに挨拶してきたのだ。
メイドさんはその子たちに向き直ると、なんとその三つ編みの手で手を振りながら答えた。
「こんにちは。またいつでも遊びにいらっしゃいね。」
子供たちは笑いながら、手を振りかえし、「またねー」と遠ざかっていった。
信じられない光景だった。
明らかに人外だとわかるのに……みんな逃げなかった。
どういうマジックなのか、私にはまるでわからなかった。
「自らの体を知り、自らの形を知り、自らの価値を知る。すなわち自覚をすることで、こうして分かり合うことも出来るのです」
メイドさんは呟くように言った。
スポンジのようにやわらかく、包みこむような声だった。
ナイフのようだった目も、いつのまにかやさしい光に満ちていた。
でも……
「でも、わからないです。自覚ってなんですか。なんで自覚をすると分かりあえるんですか……!」
私の目には、いつのまにか涙が浮かんでいた。
きっと、体も力が抜けて、どろどろに溶けてしまっているだろう。
「自覚をすることで、自分が、人になにを出来るのかがわかるのです」
続く。(続くにしとかないと明日のネタがなくなるw
- 鍵介:おお!何気なく書き綴ったものがこんな話にまとまるなんて!なんだかもう、ありがとうございます!
- 管理人:続きを書く予定でしたが…体調不良のためお休みさせていただきます……。 > 鍵介さん いや、いい導入があったので膨らませてみました。勝手に続き書いちゃいますがよろしいですね!
- 鍵介:お疲れでした…。ゆっくり休んでください。 >続き どぞどぞ。展開はスラさんにお任せします^^
- SIN:お久しぶりです、SINです。 このイラスト可愛いです!鍵介さんお疲れ様です! あと、お話の続き待ってますので、ゆっくり休んでいってね!!!
- かくに:養生なさってください。仕事も忙しいと思いますので本当に。
- 管理人:予定外の事象で時間が取れず、ほんの少しの加筆……うう、すいません。明日こそがんばる。 > SINさん お久しぶりです。ほんとイラスト可愛いですよね……つづきはゆっくり毎日書きます。
- 管理人:わあもうこんな時間だ……書く時間がないっ。おやすみです…
- 管理人:やばい、説教くせぇ。
- 鍵介:だんだん話が出来上がってきましたね。2人のやりとりを頭の中で想像してしまいます^^続きゆっくり頑張ってください!
- SIN:イイハナシダナー
- 管理人:すいません、徹マン明けで今日はどーにも……。 鍵介さん > ありがとうございます。さはらたんのキャラ設定としてこれで合っているのかが若干不安らしいです(笑 SINさん > ありがとうございます。少し言葉が直接すぎるのがアレなんですけどね……うう力不足。
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書いた日: 2010/03/29 02:01 カテゴリ:日常