「ただいまーっと」
いつものように火川神社でたわいもないおしゃべりを楽しんだ後、愛野美奈子は自宅へと帰ってきた。しかしいつものように家族からの返事はなく、その代わり、彼女を出向かえたのは一枚の手紙だった。
「美奈子へ。緊急のお仕事でロンドンへ行ってきます。2週間は帰ってこれません。お金はここに置いておきますが、ハメを外さないでね。また連絡します。-----母」
メモを読んだ美奈子は、それをぐしゃぐしゃにしてゴミ箱へと投げこみ、ひとつ溜息をついた。彼女の親は滅多に家に帰らない。これはいつものことだった。
「アルテミス、どこ?」
少しの寂しさを紛らわそうとアルテミスを呼んではみたが、それに答えるものはいない。またルナのところにでも行ってるのね、美奈子はそう思った。
「じゃあ…TVでも見ましょうか。」
ここで宿題をやろうとしないのは流石美奈子と言うべきか。TVのスイッチを入れ適当にチャンネルを変えてみると、アイドルグループ「スリーライツ」が写し出された。美奈子はとっさに画面を見つめる。
「うん、いいわね…。私の勘では、きっとこのグループはもっと伸びるわ…」
美奈子は暫く喰い入るように画面を見つめた。
彼等が画面から消えたので、美奈子はTVへの集中を解く。その瞬間、美奈子の戦士としての勘が自らの身体を床に伏せさせる。
どかん!!
先程まで自分の頭があったところを赤い閃光が横に走り、部屋の壁が崩れる。そこを見ると赤い触手。美奈子は素早く立ちあがる。そして目の前に立っていた触手の持ち主を凝視し、息を飲む。
それは美奈子と同じぐらいの身長の女の姿だが、その全身は真っ赤なゲル状の液体のようだった。オーブのようなエメラルドグリーンの瞳が輝き、その「髪」は一対の翼のようになっていた。唯一の衣服として首には黄色い蝶ネクタイがあり、目と同じ色、エメラルドグリーンの宝石が収まっていた。
美奈子はその化け物をどこかで見たような記憶があるが、はっきりとは思いだせなかった。しかし、人間ではないものが自分を襲ってきた、ということは確かだった。
「ふふふ…、まさか避けるとは思いませんでした…」
と、その怪物…妖魔は言った。
「残念ながら、相手が悪かったわね!!」
美奈子は叫び、そして手を上に振り上げる。
「ビーナススターパワー!!メイクアップ!!」
彼女が身に付けていた制服が消え、黄色いリボンが取り巻く。それはセーラービーナスのコスチュームとなった。
「私の家を壊す悪いスライムちゃん!!このセーラービーナスが!!愛の天罰、落とさせて頂きます!!」
セーラービーナスはこう叫びながら妖魔に向かってポーズを決めた。
真っ赤なスライム女妖魔はそれを前に驚くこともしない。ただ、微笑みながら暗い紫の舌で唇を舐める。
「可愛いわ…」
彼女は甘く囁いた。そしてその身体は形を失ない、どろどろの液状に変化する。
「え…なに…?」
ビーナスの疑問もつかの間、液体は突如として噴水のように爆発的に増え、周りのものを押し流す。ビーナスは反応することも出来ずに赤い津波に巻きこまれ、大量のスライムを飲みながら後ろの壁に激突した。
ビーナスの背に痛みが走ると、すぐに津波は引いた。彼女は咳込んで肺に入った粘液を吐きだす。そして妖魔を見失っていることに気付くと、回りを見回し警戒する。部屋の向こう側の廊下に見付けたそいつは、余裕でこちらを好色な瞳で見つめている。そしてまた唇を紫の舌で舐めると、もう一度、その妖魔はどろどろと形を失なった。
流石にビーナスは二度も同じ攻撃を受けるほど馬鹿ではなかった。彼女が左に横転すると、さっきまで自分のいたところをゼリー状の妖魔が通りすぎ、また壁に大きな凹みが出来る。両親が帰ってくるまでに修理しておかなければ、とビーナスは思いつつ、攻撃の準備に移る。
「ビーナス!!」
その声に呼応し彼女の手の平に金星のマークが浮かぶ。
「ラブアンドビューティショック!!」
ハート型のエネルギーがまっすぐ妖魔の胸に向かって飛んでゆく。が、しかし液状の妖魔は自らの胸に大きな穴を開ける。エネルギーはまっすぐにその穴を通りぬけ、後ろの壁に掛かっていた額入りの写真を粉砕した。ああ、あの額も買いなおさなきゃ…。おこづかいが…。ビーナスはそう心の内で嘆いた。
「もう!!これ以上家を壊す前に、とっとと私に倒されなさい!!疲れてるし、もういい加減終わりたいの!」
ビーナスは無茶なことを敵に要求する。が、しかしスライム状の妖魔はうなずきながらつぶやく。
「ふふふ…、確かにもう終わらせたいわね……」
そして再び全身を液状へ変化させる。ビーナスは津波が来ると身構えるが、どろどろの液体はなにも動かない。しかしビーナスが気付かない内に、それはカーペットを伝い彼女の足元に液溜りを作っていた。
ふと下を見たビーナスがそれに気付く。すぐにジャンプで逃げようとするが遅い。そこから大量の触手が瞬時に伸びてくる!!彼女の手足はあっという間に触手で拘束された。
拘束から逃れようともがくビーナス。しかし触手から染み出る液体がゆっくりと広がり、さらに彼女を包みこんでゆく。彼女の白いコスチュームには粘液が染みこみバラ色に染まり、すべすべの肌にまで粘液が到達し、服から滲み出た粘液が彼女の足を垂れ落ちてゆく。
「な…なにこれ!きもちわるいよ…!!やめて!!やめてよ、もう。」
ビーナスは拒絶する。すると粘液から笑いが響き、あのスライム妖魔が彼女の上着から現れ、さらにビーナスの隣に太い触手が伸びてくる。
「ふふふ、やめません。むしろこれから始めるのです。」
妖魔はそうつぶやくと、寄りかかりビーナスの頬を甘く舐める。
「貴方と貴方の友達の為の計画、その第一歩を…」
そう言うと妖魔は溶けて消え、そして今度はビーナスの股の前に現れ、彼女の女性を守る布をちょんちょんと押しはじめる。ビーナスはさらに、さらに抵抗を強めるが、しかし逃がれることは出来ない。
妖魔はそれを見て笑うと、今度は自身の指先を液状に変えて彼女のパンティを包みこむ。すると、それは酸にでも触れたかのように溶けはじめ、あっという間に彼女の秘裂は外気へと晒され、妖魔は直にそれを弄びはじめる。
「やめて!!お願いだからやめて!!」
ビーナスは悲鳴のように叫ぶが、妖魔はゆっくりと彼女のすじを擦り、クリトリスをからかい、軽く探るようにいじり…そして男根のようなものを形成しはじめる。ぞっとしながらもビーナスは妖魔の拘束が緩んでいることに気付く。その隙にをついた必死の抵抗が手を解き放ち、すぐに彼女はクレッセントビームを出そうとする。しかし気付いた妖魔は彼女の手首をさらにキツく締め、なすすべもなくビーナスは悲鳴を上げる。
妖魔は差し込んだ男根状の触手が膜に触れたことに気付き、笑う。
「ふふ、処女なのですね…。でも安心してください。痛くないようにしますから。」
ビーナスにやさしく言うと、一度抜いた男根のような触手の先から小さな小さなナイフを形成しはじめる。そしてそれをゆっくり彼女の中へと差し込み慎重に、まったく痛みもなくビーナスの処女膜を切り取った。無事に作業が終了した妖魔は微笑み、寄りかかってビーナスに深い、深いキスをする。
そしてついに、妖魔の男根がビーナスの中へと侵入する。それは彼女の奧までいっぱいにした後、すこしだけ戻り、また奧まで押しこまれる。ビーナスは嘆いた。こんなモノで、こんなコトで、私の純潔は奪われた、と。妖魔が彼女の唇を奪い、長い舌が侵入し彼女の口内を荒らしまわり、うめき声を上げる。しかしその舌を押し戻すことも出来ない。
しかし拒否しながら心の底で、怪物の唾液の独特な味に、風船ガムに似た、甘さがあることに気がついた。初めての、しかも憎むべき化け物の唾液、にもかかわらず嫌ではなく…
彼女はすぐにその考えを頭から追い払おうとするが、出来なかった。何故なら妖魔がさらに激しく動き彼女の骨盤に大きな衝撃が加わると、それが噴火するような快感となり頭を塗り潰したからだ。ビーナスは目を閉じ歯を食い縛り、この快感を打ち消そうとする。が、しかし、彼女の膣は熱く湿ってゆく。
「ねえ、笑いましょう?」
妖魔はビーナスの耳元で囁きながら、彼女を突き上げるスライムペニスをさらにひとまわり太くした。ビーナスは自らが快楽を感じるのを、絶頂へ向かうのを必死で絶える。しかしその喘ぎはさらに熱いものへと変化してゆく。その変化を味わいながら妖魔は彼女から既にとめどなく流れ出ている甘い愛液を自らの内へと吸収する。そしてもう一度キスをし舌を入れると、ビーナスからの抵抗は既に弱くなっていることに気付く。
粘液状の妖魔は大きめの粘液の塊をビーナスの身体の上へと移動させ、それを新たな二本の腕へと形成する。そしてそれはビーナスのやわらかく膨らんだ胸に触れ、ゆっくりと丁寧に愛撫しはじめる。
「ふふ……とてもやわらかく素敵なおっぱいね…」
彼女は微笑みながら耳元で囁く。
「ああ……いきたい……違う…いきたくない……やめて……変態…妖魔……」
ビーナスはどんどん強く良くなってゆく快感に喘ぎながら言った。ますます増加する粘液の波の中で喜びがよぎり、手足は脱力し、、快楽への、絶頂への欲望が支配してゆく。しかし自らへの拘束がいつのまにか緩んでいることに気付いたとき、ビーナスは欲望を振り払おうと首を振る。逃げなければ。
が、すぐに妖魔はそれに気がつき固く拘束がされ、彼女は苦痛で呻く。そしてさらに、彼女の奧へとポンプのように粘液が送りこまれ、子宮が膨んでゆく。その感覚にビーナスは背を張り、大きく声をあげ、ついに初めてのオーガニズムを向かえる。目の前がくらみ、小さく喘ぎ、足が少し痙攣する。
「違う…私は…そんな……」
ビーナスはただ呟くだけだった。
彼女の絶頂を見た妖魔は微笑み、彼女の吹いた潮と大量に流れ出た愛液を味わいながら吸収する。そしてビーナスの腰を覆う粘液からもう一本のスライムペニスを作り出し、彼女の小さなもうひとつの穴…アヌスへと当てる。それに気付いたビーナスの青い目が大きく見開かれ、すぐさま頭を横に振る。
「いや…いや……そこだけは……やめて!!」
ビーナスの悲鳴とは関係なく、スライムは滑らかに彼女の門を押し広げ侵入し、直腸の奧へと突き進む。
ビーナスの瞳が右往左往する。その初めての感覚は、しかしすぐに快楽へと変換される。二度目の絶頂を向かえ、さらに三度、四度と痙攣し、二本目のスライムペニスがポンプのようにアヌスに出入りする。ビーナスは喜びのうめきを上げる。
「ふふ、どういうことでしょう…アヌスでこんなに早くイクなんて…。こんなところが好きなんですね……」
妖魔は言いながら二つの穴を同時に突き上げビーナスを狂気の快楽へと追いこみ、終わりなき愛液の洪水を起こさせる。
ビーナスにはもう、戦う意思は消えていた。妖魔は寄りかかり軽くキスをすると、今度は抵抗はまったく無く、むしろ彼女からキスを求めてくる。妖魔はそれに応じながら微笑み、彼女に残った服を溶かしてゆく。そして少し口を離し、絶頂の喜びに悶え若い身体を痙攣させるビーナスを見た。
「…ふふふ、もっと欲しいのですね?」
そしてさらに彼女の中へと自らの一部の流し込み腹の中に男根を形成する。それはどんな人間にも出来ないことだった。
「さあ力を抜いて…。もう戦う必要はないのです…。きもちいい私に忠誠を誓いませんか…?」
妖魔が微笑みながら尋ねる。
「…あ……ああ……私は…とても…きもちいい……貴方に……忠誠を……誓います……」
ビーナスは幾度もの絶頂の中、ゆっくりと呟く。彼女のあらゆるところから侵入した粘液で、彼女の意思は溶かされたのだ。
妖魔はその答えに邪悪な笑みを浮かべると、溶け残っていた衣服を引きちぎる。そしてビーナスを抱き締めると全裸になった彼女を自らの粘液で包み込み、全身いたるところを愛撫する。そして彼女の口内に自らの舌を差し入れ、それをペニス型にして滑らかに前後させる。ビーナスはなにも抵抗せずにそれを受け入れ、あえぎながらひざまづく。
ビーナスの腕や足は既に解放されていたが、今や既に戦う意図もなく妖魔の与える喜びを全身で感じる。そして何度も何度も絶頂を向かえる。彼女の腰はまるで誰かの上に乗っているかのようにゆっくりと上下にはずむ。それに合わせて妖魔は自らのスライムペニスを突き上げる。
既に1時間が過ぎていたが、ビーナスにとっては数分のことだった。彼女は四つん這いになり、まるで淫女のように喘ぎ、妖魔のスライムを双方の穴に幾度となく受け入れている。妖魔は彼女の首から下を全て包みこんでいるが、まるで彼女をバックから突いているかのように変形していた。
「ふふふ…とても美味しいわ……」
妖魔は甘く囁きながら、粘液の触手をビーナスの胸の谷間から口へと伸ばした。ビーナスはみだらに喘ぎながら触手の先端についたペニスを口内へ快く受け入れ、夢中でそれを啜る。妖魔は微笑みながらビーナスの胸を固く絞り、ヒップを強く叩く。彼女を包む粘液に波紋が走るほどの衝撃だが、ビーナスは恍惚として呻くだけ。体内にある大きな二本のスライムペニスが、腹に蠢く二つの瘤を作る。それをスライムに包まれたビーナスの腕が愛しく撫でる。
「…ああ……いいわ……」
ビーナスは口に入れられたスライムペニスを舐めながら呟く。すると彼女の身体がきらきらと光りはじめ、数秒ほど閃光のように輝く。ビーナスは愛野美奈子に戻っていた。美奈子は気にせずに三つの穴が全て同時に犯される快感に呻き、喘ぐ。
「いい子ね……もうどこにも、戦う必要はないのよ……」
妖魔はやさしく囁く。美奈子は頷き、また呻きを上げる。妖魔は笑顔で彼女の口からスライムペニスを引き出し、言う。
「そうよ。さあ、誓って。貴方の身体の全ての穴と、貴方の魂は私のものって。」
「ああ…素晴しい提案だわ……。私の…全ての穴は貴方のもの、私の身体の全ての穴と、私の魂は…貴方のものです……永遠に……ご主人様……。」
美奈子は呻いた。すると額にビーナスの紋章が輝きはじめ、瞬間、粉々に砕け散り、煙を上げた。
妖魔は笑いながら、新しいスライムペニスを美奈子の口へと押し込むと、彼女はそれを快く受け入れる。さらに二つの穴に入れていたペニスの突き上げを2倍の早さにする。妖魔の新しい性奴隷は淫女のように喘ぎを上げた。
「……そうよ……全て私、ジャーマネンのもの……全て……」
第一章・完