ジャーマネンに言われるまま横になった俺だったが、 ふと視界を写した間に、彼女の姿は消えていた。 しかし床の赤い液体は俺をやさしく受けとめ続ける。 ずぶずぶと、どこまでも沈んでいきそうなやわらかさ。 目を閉じて、身を任せる。 やわらかさを堪能していると、突然耳元で声がした。
「どうです?私のお蒲団は。とてもやわらかくて、どこまでも沈みこんでしまいそうでしょう?」
目を開けると、いつのまにか俺の横にジャーマネンがいた。 少し液体と一体化しているような彼女。笑顔の彼女。 ふいに、限界まで隆起している下半身に違和感が走った。 なにかに包まれ、強く、強く締めつけられる。その刺激でおもわずいきそうになる。 しかし、と、同時に尿道の先になにかが詰められた。 出したい、なのに出せない…!!
「こ、これは…っ!!むぐっ」
不満を漏らそうとした口を、ジャーマネンの口が塞ぐ。 舌が侵入し、あの甘い液体が流しこまれる。 とめどなく彼女から送られる粘液を、俺は飲みつづける。 ジャーマネンはきつく、きつく俺を抱きしめつつ、 口を離すことなくキスを貪る。いや、まるで俺自身が貪られているかのようだ。 どれだけキスが続いても息は苦しくならない。 いつまでも粘液が流しこまれ続け、俺は飲みつづける。 食道、胃、腸、肺までもが甘い液体で満たされ、 甘く甘く溶かされていくような感覚がした。 胃から、肺から吸収され血管が甘く溶けてゆく。 心臓が溶けながらも液体を全身に送り、どんどん溶けてゆく。 脳にも液体は届き、甘いもので満たされ溶けてゆく。
永遠の続くかと思われたキスもようやく終わりをむかえる。 ジャーマネンは口を離した。 俺は快楽の余りまったく動けなくなっていた。 脳から信号を送っても、まるでその部分が無くなってしまったかのように動かなかった。 しかし意識ははっきりとしていた。 それに、未だ震え続けるがしかし射精はできない感覚もはっきりと伝わってきた。
床の液体がもぞりと蠢き、横向きになっていた俺の身体を仰向きにする。 さらに俺の上にどろりと液体がかぶさる。 じゅるりと肉棒の上を通る液体に、 始めに洗面器でゆっくりと赤い粘液かけていったあの感覚が甦り、 ぞくぞくとした快感が全身を駆けめぐる。
赤い粘液は俺の上に移動したあとも蠢き、そして、ひとの形になった、と、思われる。 視界が突然真っ赤な二つの双丘で埋まってしまったのだ。 これは、女の、ジャーマネンの尻だ。 その証拠に俺の口元には、あの、甘い香りを漂わせる、 あの、止めどなく粘液を溢れさせる、 あの孔が、当てがわれているのだ。 彼女から溢れる愛液は全て俺の口内へと消えていった。
そして、股間からまたしてもぬめる感覚が伝わった。 そう、これは一度味わった。彼女の舌だ。 先程は触れただけで果ててしまったあのやわらかく、溶けるようにぬめる舌で 今度は丹念に、丁寧に、根本から舐められてゆく…。 肉棒はびくりびくりと全力の蠕動をするが、しかし、栓の所謂で出すことはできない。 さらに根本だけだった快楽が、ついには亀頭全体を飲みこんだ。 いや、彼女に飲みこまれたのだ。それは普通の口内ではなかった。 口腔全体がやわらかく蠢き、カリ首の段差に肉壁が集まり、 さらに尿道口の先が、なにかにツンツンと当たり刺激する。
その快感に俺は悲鳴を上げた。怒張はまさに限界まで膨らみ、 精巣までもが震えて精液を押し出そうとしている。 しかし、出すことは、できない。
「もっと、頑張ってください。全身で、全身を震わせて出してください!! そして、あなたの全てを、私に向けて…っ!!」
耳元で彼女の声がした気がした。 そして、次は気のせいでなく、あの、ぬめった舌が、俺の耳朶をやわらかく舐めた。 股間から遠く離れた箇所への突然の刺激に、ついに全身が答え、 まさに全身が怒張となったかのように大きく、大きく震え、 塞きとめていた栓ごと精液が放出される。
どぷっどぷっどぷっ……!!
ジャーマネンはその全てを飲みこみつつ、舌を自在に動かし、口内はさらに蠕動し、 さらにはやわらかな繊毛までもが現われ、カリ口をやさしく刺激し、 さらに舌での刺激は袋、菊門にまで伸びてゆく。
射精は止まらない、止まるはずもない。 玉の中などどうに空で、それでも止まらない。 全身を震わせ、全身から放出してゆく。 ジャーマネンはそんな俺をきつく、きつく抱きしめた。 まるで、俺の全てを絞りつくすかのように。
そう、俺の全てがジャーマネンのなかへと注がれていく。 意識が、遠ざかってゆく。視界が、暗くなってゆく。身体が、沈んでゆく… どこまでも、どこまでも、沈んでゆく…。 沈む、深く、深く、沈む……。 それと共に…俺のなかに………なにかが……流れ…こんで……
………
第3話・完
戻る | 次へ