スライム娘の歴史
第一稿は2010エイプリルフール特別企画として書かれたものです。
その後、沢山の有力な情報が集まり、このページの情報は発展しています。感謝。
さらなる情報がある方はノート:スライム娘の歴史へどうぞ。
スライムの誕生 - 1931〜1960
Wikipedia:スライムにも記載されているとおり、スライムとは非常に新しいモンスターです。「不定形で、必要に応じて形態を変化させる」という発想はショゴスが最初で、それ以前には見られないものでした。
民衆に大きく知られることとなったのは、1958年の映画『人喰いアメーバの恐怖』でしょう。この頃、「外宇宙から飛来した生物」という形でSFモノで非常に多くのスライムが描かれていきます。それが次に挙げるスライム娘の誕生に深く関わっていきます。
スライム娘の誕生とファーストブレイク - 1967〜1968
1967年。この年、ついにスライム娘が登場する作品が出版されています。さらに言えば、この年、なんと3編もの作品にスライム娘が登場しているのです。
- 1967年3月〜4月
- パルマ (鉄腕アトム「一億年前の犯罪」 / 手塚治虫)
- 1967年12月〜1968年9月
- タマミ (火の鳥「未来編」 / 手塚治虫)
- 1967年〜1968年のどこか
- ケティ (アメーバ妖女 / 豊田有垣)
いまのところこれ以前にスライム娘が登場した作品は見つかっていないため、この1967年が暫定のスライム娘誕生年です。しかしパルマの登場時、アトムが「水木しげるの漫画にこんなのがでてくるな」と発言しているため、それ以前にスライム娘があったかもしれません。
この3編ともに「宇宙人」というところが共通しています。この時点でのスライムがSFのものであったというのがよくわかります。
さらに言うと、3編の内2編が手塚治虫の手によるものです。またもう一編を書いた豊田有垣氏についても手塚氏との関係があります。なんというか、見事にひとつどころに固まっています。
さて、この3編が登場しここからスライム娘の歴史が始まるのか……と思えるでしょうが、実際はそうはなりませんでした。手塚治虫はより自身の理想に近いものを求め、不定形生物という形の無いものではなく、さまざまな生物へ自在に変わることが出来る「変身」へと傾倒していきます。豊田有垣については……正直わかりません。しかしここでスライム娘の歴史は一旦途切れてしまったようです。
空白の時代 - 1968〜1986年
最近の研究で、この空白の期間については否定されつつあります!
そうしてスライム娘の系譜は一旦途絶えてしまいますが「スライム」というモンスターはそのまま発展を続けていきます。
特にダンジョンズ&ドラゴンズを契機としてRPGにおける一般的なモンスターの一体として定義されたのは大きく、さらに1986年、ドラゴンクエストにおいて大きくその知名度を上げていきます。
また「スライム」というものが一定の知名度を得るのと同時に、さらなるインパクトが起こります。CGの発展による映像化です。
それはジェームズキャメロンのアビス(1989年)とターミネーター2(1991年)、また仮面ライダーBLACK RXのバイオライダー(1989年)の登場です。ここから実写というリアルな映像で「液体で出来た人間」「液体化」といった概念を提示、非常に多くの人間の目に止まります。
こうして作られた素地が、次の時代の礎となっていくのです。
スライム娘の復活 - 1986年〜
それはそれぞれの見解でスライム娘を作り出す、そんな時代の幕開けでした。さまざまな人が、さまざまな必要性に応じ、さまざまな場所で、それぞれのスライム娘を作り出していくのです。
まず、RPGというジャンルが盛んになっていくと、それをエロ化しようとする者が現われます。カオスエンジェルス、ドラゴンナイト2、プリンセスミネルバ、プリンセスメーカーあたりはその代表格でしょう。
ターミネーター2からはファーランドストーリー6のレディも生まれています。その頃にはスライムは一般的に認知されており、セーラームーンのジャーマネン、超者ライディーンのウンディーネ……どんどんと広がっていきます。
こうして「スライムで出来た女性」すなわちスライム娘がいくつか見られるようになっていきました。しかしそれはあくまで個々に生まれたもの。「スライム娘」があるジャンルとして認知されるには、さらなる時を経る必要があります。
ジャンルとしてのスライム娘の誕生 - 2003年〜
それはpink bbsのスレ【画像】女モンスターで( ;゚∀゚)=3 ハァハァ【小説】 2003年01月28日のことでした。
蛇女とかスライム娘なんかが出てくる作品は何かないですか?
恐らくこれが、「スライム娘」という名称がある特徴を持った女性の集合として使われた、決定的な瞬間です。
なお、それに答える形で「ID:EVRu3aLZ」が幾つか提示していますが、どうやらこれがこのサイトの管理人だったようです。まあ、どうでもいいですが。
ともかく、この瞬間「スライム娘」というジャンルが出来あがり、それがどういったモノを指すのかが磨かれていきます。またこの少し後に当サイトが開設、「スライム娘」の定義は進んでいき……04/03/24から始まるスライム娘漫画でほぼ固まります。
その定義をわかりやすい形で一気に普及させたのがスライムのいる日常。スライム娘がモンスター娘スレ付近だけのものでなくなった瞬間でした。
さらにモンスター娘百覧も忘れてはいけません。個々の萌えポイントをわかりやすく解説し、さらに実践まで掲載されたサイトです。
そうして「スライム娘」は新しい萌えのジャンルとして、一気に浸透していきます。それはまさに感染とでも言うべきものでしょう。
スライム娘の現在
それぞれが独自の解釈をし、形の無いものだったスライム娘。それが今や「スライム娘」というジャンルに向けて創作活動が行われるまでに成長しました。
Pixivのスライム娘タグでもわかりますし、Googleの期間指定検索を利用してみると1970/01/01-2004/01/01の期間はわずか16件しかヒットしません。それが今や10,000件を越えるヒット数となるのです。
さらに2010年04月01日にはここはスライム娘に感染されています!という企画。
これからも、きっと勢いは止まらないでしょう。どんどん感染し、皆がスライム娘というジャンルを知ることになるのでしょう……。
そうしてスライム娘への抵抗が無くなり、私が堂々と皆様の家へお手伝いに伺える日が来ることを、とても楽しみにしています。