火川神社の薄暗い部屋の中。女が二人、裸で絡みあっていた。
一人は綺麗な黒髪の高校生くらいの若い女。 横に脱ぎ捨てられた巫女装束は、彼女がここの住人であることを示している。
その均整の取れた身体には汗が光り、 固く尖った乳首をもう一人の女にぺろりと舐められ、 彼女は溶かすような声を上げる。
まるで酔っているかのように真っ赤に染まった顔とうつろな目をしながら、熱にうかされたように呟く。
「…時夜様……もっと……」
時夜と呼ばれたもう一人の、こちらも若い女。
太股あたりまである長く赤い髪は、黄色いリボンで止められ三つ編みにされている。
不思議なことにその身体に汗はなく、くすりと笑みを浮べながら時夜は女の要望に答える。
「…ここがいいのですね、レイさん」
言いながら時夜はもう一度舐めた。
時夜から立ちのぼる甘い香りにも酔いしれながら、レイはさらなる快感を求め答える。
「も、もっと下も…舐めてください……」
その言葉に笑みを浮べて満足した時夜は、今度はレイのリクエストには答えず、すっと身体を引いた。
困惑するレイをよそに時夜は右手を手の平が上になるように掲げる。
と、その手に赤いワインが入ったワイングラスが虚空から現れた。 驚きもせずそれをぼっと見るレイ。
時夜は手に持ったワイングラスを床に置く。 そして自らのつまさきをワインの中へと入れた。
親指、人差し指、中指、薬指、小指…。ワインはグラスから溢れることも、増える気配すらない。
足首までがその中へと入っても、ワイングラスが倒れることも割れることもない。
もう片方の足も揃えて入れる。ずぶずぶと膝、太股、尻…とワインの中へ沈んでゆく。
既にワイングラスの口よりもそれは太いが、空間が歪んでいるかのように捻れ、グラスの中へと入ってゆく。
レイはまだぼおっとしている。その間に首、顎、口、鼻、目、頭…と、女は笑みを浮べながらワインの中へ消えてしまった。
残ったのはワイングラスとワインと未だ息の熱いレイ。
と、そこにどこからか声が響く。
「さあ、私が全部溶けているそのワインを飲んで。貴女が私を飲むの。そうすれば、私と貴女は一心同体。もう離れることもない。ずっと中からきもちよくしてあげる…」
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書いた日: 2006/12/28 19:47 カテゴリ:妄想